【論文メモ】認知機能障害のある高齢者における夜間睡眠の実態とADLおよびBPSDとの関連

こんにちわ、彷徨うPTです。今回は「認知機能障害のある高齢者における夜間睡眠の実態とADLおよびBPSDとの関連」の要約と僕の考察をまとめました。

今回読んだ文献

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jagn/22/2/22_31/_article/-char/ja/

目的

介護老人福祉施設/特別養護老人ホーム(以下、特養)に入所している認知機能障害のある高齢者の夜間睡眠の実態を把握し、さらに夜間睡眠とADLおよびBPSDとの関連を明らかにする。

対象

①65歳以上の高齢者

②入所後、1か月以上が経過した者

③2週間の調査が可能な者

④認知機能障害のある高齢者

除外基準は調査により心理的負担を生じる可能性があると施設責任者が判断した者

適格基準④以外の基準に該当した高齢者は51 人であった。

方法

本研究対象者に対して、「基本属性」「夜間睡眠」「関連要因」を評価した。

○基本属性

①年齢,②性別,③介護度,④入所期間,⑤認知症診断の有無,⑥基礎疾患,⑦睡眠薬の服用の有無

※認知機能の測定にはMMSEを使用

MMSEが使用できない対象者には、N式老年者用精神状態尺度(NM スケール)を使用

また対象者基準の④認知機能障害のある高齢者はMMSE23点以下およびNMスケール24 点以下である高齢者、認知症の診断ある高齢者とした。

認知症の診断は入所記録で診断の有無を確認した。

○夜間睡眠【18時から翌朝8時までの14時間(840 分)を夜間睡眠とした】

センサーマット型睡眠計(眠りSCAN®;パラマウントベッド社製)を用いて、夜間睡眠を2週間連続して測定した。

以下5つの指標を用いた.

①在床時間(就床から起床までの在床時間の合計),

②総睡眠時間(就床から起床までの睡眠時間の合計),

③睡眠効率(在床時間のうちの睡眠時間の占める割合),

④入眠潜時(就床から10分以上持続する睡眠の始まりまでの時間),

⑤中途覚醒時間(就床から起床までの在床時間内で睡眠時間と入眠潜時を除いた時間)とした。

総睡眠時間,入眠潜時,中途覚醒時間の総和が在床時間となる。

○関連要因

①ADL

N式老年者用日常生活動作能力評価尺度(N-ADL)を用いて測定した。

②BPSD

Neuropsychiatric Inventory(NPI)を用いて測定した。

結果

夜間睡眠とADL,BPSDの関連性はそれぞれ以下のような結果であった。

○ADLとの関連性

N-ADLにおいては在床時間のみ有意な差があり、ADLが低い人ほど在床時間が長い傾向であった。ADLが低く、在床時間が長いと睡眠効率は低くなる。

しかし、ADLの低い認知機能障害のある高齢者のなかには、総睡眠時間にばらつきがあり、過眠の傾向がある者や平均的である者、極端に少ない者がおり、夜間睡眠とADLの関連は認められなかった。

これについては以下のような論文の引用から原因を述べられてる。

認知症高齢者のADL自立度と睡眠構造を検討した研究において、ADL 自立度は少なからず認知症の重症度によって影響されるため,純粋に日常生活の自立度の程度による睡眠構造の違いを明らかにすることは不可能に近いと述べている。  飯田ら(1999)

その為、本研究の結果では、認知機能障害のある高齢者の総睡眠時間とADLとの関連は認められなかった。

○BPSDとの関連性

BPSDがある人ほど、総睡眠時間が少なく、睡眠効率が低く、入眠潜時が長く、中途覚醒時間が長かった。

また、NPI下位項目である「興奮」の得点が高いほど総睡眠時間が短く、睡眠効率が低く、入眠潜時が長いという結果であった。

本研究の結果からは夜間睡眠とBPSDとの因果関係までは不明であるが、以下の論文から睡眠時間とBPSDに因果関係がある可能性があると解釈していました。

・睡眠が不安定になるとBPSDが惹起され、認知症患者が夜間に中途覚醒すると見当識障害のための混乱が起こり、状況を確認できないため不安や緊張が高まり、興奮,徘徊,昼夜逆転へつながる。                     鈴木ら(2016)

 

・施設に入所している認知症高齢者を対象とした睡眠への介入において4週間の光療法実施の結果、総睡眠時間と睡眠効率の改善、さらにはBPSDが改善した。

Figueiro ら(2014)

まとめ

今回の論文内容から僕が思うこと

夜間の中途覚醒改善のために他の患者との交流を増やして、生活リズムを改善すべき

日中は危険行為を見かけることがあるため、抑制ベルトをつけて車椅子座位で詰所で離床させられたり、4点柵にてベッド上で過ごされる。夜間は中途覚醒を認めることが多いため他の患者にも影響があることが多い。

1人にさせとくのはリスクが高いため、抑制や見守りが必要なのはよくわかります。

なら、他の患者と一緒に過ごす機会を増やして生活リズムを整えたり、交流を増やすことでBPSDの改善には繋がらないのかなと思いました。

僕の勝手な考えなので難しいのかもしれませんが今後も認知症患者の入院中の睡眠時間や過ごし方というのは問題になると思います。改善方法についてみなさんの意見を聞かしていただければ幸いです

それでは、今回はこれで終了です。最後まで読んでいただきありがとうございました。