介護保険制度導入の流れ

こんにちわ、彷徨うPTです。今回は介護保険制度が導入されるまでの経緯や今までの介護に対する社会の考え方について、簡単にまとめました。

以前の介護に対する考え方

現在は、介護に対して社会的に注目されており、地域包括ケアシステムなど社会全体で介護する状態になっていますが、

1950年代までは、家族の仕事とされていました。

なので、介護は自宅で行い、それぞれの家族の問題とされていました。

高齢者福祉政策の始まり

はじめは、介護は家族の問題とされていましたが、1960年代以降より社会全体で徐々に介護について考えるようになります。

その原因は、医療の発展による平均寿命の上昇です。

上記の図は厚生労働省のホームページに掲載されている平均寿命の推移です。

全体的に上昇傾向ですが、1950年代から1960年代にかけて、平均寿命の上昇が特にみられます。

これにより、寿命は延びましたが、後遺症などが残っている人が増えてしまい、要介護高齢者の増加介護期間の長期化となり、介護ニーズが表れてくるようになります。

ここから高齢者の福祉政策が始まります。

1960年代の主な介護の政策

・1963年 老人福祉法制定

□老人家庭奉仕員 (ホームヘルパー)法制化

□特別養護老人ホーム創設

介護ニーズ対応の始まり

1970年代より、自宅での介護にも限界となった為、介護ニーズへの対応が始まります。

介護サービスを作るのではなく、病院のサロン化や医療費を無料化することで対応するなど、医療による対応を行っていました。

この際に介護の知識が少なかったため、動く高齢者に対しては薬によって寝たきりにさせている場合や身体拘束による対応を行っていたそうです。それにより、長期臥床が進み、褥瘡などが問題視されるようになりました。

また、医療により介護の問題に対応したため、高齢者による医療費の増加が財政の圧迫に繋がりました。

1970年代の主な介護の政策

・1973年 老人医療費無料化

・1978年 短期入所生活介護(ショートステイ)事業の創設

・1979年 日帰り介護(デイサービス)事業の創設

高齢者介護が社会問題となる

1970年代に薬や身体拘束を行い、動く高齢者を対応したため、1980年代より寝たきり高齢者の増加、また、医療費の増加による財政圧迫などが社会的に大きな問題となりました。

そのため、老人保健法の制定による高齢者医療費の一部自己負担となります。

また、ゴールドプランによる介護保険制度の制定に向けて、動きが見られるようになりました。

これにより、10年かけて、長期的に高齢者介護の基盤整備を進めることとなりました。

ゴールドプランの主な内容

1.市町村における在宅福祉対策の緊急整備

2.「ねたきり老人ゼロ作戦」の展開

3.在宅福祉等充実のための「長寿社会福祉基金」の設置

4.施設の緊急整備

5.高齢者の生きがい対策の推進

6.長寿科学研究推進十か年事業

7.高齢者のための総合的な福祉施設の整備

出典:高齢者保健福祉推進十か年戦略

また、核家族化が進み入院中の高齢者が退院後に介護してくれる家族がいない場合や老々介護などの問題も表れた結果、介護は個々の家族の問題ではなく社会の問題と考えられるようになりました。

1980年代の主な介護の政策

・1982年 老人保健法の制定

□老人医療費の一定額負担の導入等

・1989年 ゴールドプラン(高齢者保健福祉推進十か年戦略)の策定

□施設緊急整備と在宅福祉の推進

介護保険制度の実施

1980年代から1990年代にかけてゴールドプランの作成を元に、介護保険法が成立されます。

1989年にゴールドプランの策定により、戦略的に高齢者介護の問題を検討しましたが、予想よりも高齢化が進んだため、全面的に改訂し1994年に新ゴールドプランが策定されました。これにより、介護問題に対して目標修正を行いました。

新ゴールドプランでは高齢化の増加に伴い、在宅介護の充実を重点に置き、ヘルパーの数17万人の確保、訪問看護ステーションを5,000箇所設置するなどを目標としました。

その後、1996年連立与党3党政策合意し、

介護保険制度創設に関する「与党合意事項」が発表されました。

そして、1997年介護保険法成立。

その後、2000年に介護保険法が実施されました。

1990年代の主な介護の政策

・1994年 新ゴールドプラン(新・高齢者保健福祉推進十か年戦略)策定
□在宅介護の充実

・1996年 連立与党3党政策合意
□介護保険制度創設に関する「与党合意事項」

・1997年 介護保険法成立

まとめ

介護保険制度が成立する背景には高齢化の進展に伴い、

○要介護高齢者の増加

○介護期間の長期化

○核家族化の進行

○介護する家族の高齢化 etc

医療の発展や介護の問題だけでなく、社会的な背景などが関わっています。

結果、従来の老人福祉・老人医療制度による対応が限界となった為、

個人の問題だけでなく、社会全体の問題として考えが変わっていたことが関係しています。

それでは、今回はこれで終了です。最後まで読んでいただきありがとうございました。