お疲れ様です。
ろじウラのPT(@roziuranoPT)です。
さて今回は、前回のブログで言ったトップダウンで考える問題点と治療までの考え方についてです。
新人必見!? 短期目標への近道【チームアプローチ】
お疲れ様です。 最近バイクで転倒して擦り傷で何とか済んだろじウラのPT @roziuranoPT です。 バイクで転倒しても、擦り傷。 歩行で転倒すると、骨折。 やっぱ年齢とか、骨密度、身体機能って大事だなと改めて思い、看護師から傷口の処置の仕方も教えてもらい、タダでは 起きない(笑) さて、今回は以前Twitterでも投稿し、いいね。を数件頂いた事に関して書かせてもらいます。 …
いきなりですが、例を挙げていきます。
脳卒中左片麻痺(BRSⅡ)、基本動作全介助、リクライニング車椅子全介助、食事経鼻栄養
って患者さんがいた場合を想定します。
※僕なりのセラピストの解釈なので、そこんとこよろしくです。
例1
PT:基本動作の座位保持が行えていない。
リクライニングをスタンダード車椅子に変えていくには、まず端座位保持が見守りで出来るようにならないといけない。
治療は端座位保持の練習中心に行う。
OT:セルフケアが全介助。トイレ動作を行えるようになってほしい。
認知も高次も問題ないからトイレに行けるかも。その為には、手すりへのリーチが必要になる。
治療は車椅子でのリーチ練習中心に行う。
ST:リクライニング車椅子での食事だと体幹の前傾がなかなか自身で難しくなる。
スタンダード車椅子に変更したいけど、座位保持が出来ない。
治療としては、ベッド上でシャキアや嚥下練習を中心に行う。
皆さんなにか気づきませんか?
セラピストの共通ゴールがめちゃくちゃな感じがしませんか?
そうなると行っている治療のゴールもバラバラ。病院でも同じような光景がちょくちょくあると思います。
この例はどうでしょう。
例2
PT:座位保持が出来ない。まず栄養面(食事)の介入をしていきたいからスタンダード車椅子に移行したい。
じゃぁ、座位保持練習と離床時間の延長を図っていかないと。
治療は端座位保持の練習中心に行う。
OT:食事への介入なら上肢リーチが必要になる。トイレ導入したいけど、栄養面も上げていきたい。
じゃぁリーチ練習なら手すり・食事へのリーチになる。
治療は車椅子でのリーチ練習中心に行う。
ST:PT・OTが座位練習・車椅子への移行・リーチ練習をしてくれている。
まずは、ベッド上で安全面考慮して嚥下獲得していこう。
治療としては、ベッド上でシャキアや嚥下練習を中心に行う。
PT・OT・STともに同じ治療をしていますよね?けど例1に上げた内容とは何かが違いますよね?
チームアプローチが行えていると例2の状態になります。
例1と例2の違いは同じ治療をしているのに、例2の方はセラピスト間での目的が同じになってます。
そうする事で治療の方向性も同じになり短期目標の獲得が容易に行えます。
ここまでは、チームアプローチを取った場合と取らない場合を極端な例として挙げています。
ここからは、どうやってスムーズなチームアプローチを考えていくか、僕が実際に使っているチャートで説明してきます。
上の図が実際に臨床で考える時に使用している図の1つです。もう1つの図はまたいつか紹介します。
まず、図の説明からしていきます。ICFの図にオリジナルを入れています。
僕の中では、参加がゴールとなっています。その参加に必要な活動は何かをまず考えます。
活動が何個か考えたら、その活動を細分化して考えます。起立だと、1相2相…的な感じで分解して行きます。
動作を細分化した時に、それは身体機能の何が必要なのかを考え、実際の評価と比較し、治療展開していきます。
文字だとわかりにくいと思うので、例で上げた患者さん像で考えていきます。
まず、PT・OT・STで共通認識の短期目標を考えます。
今回は、スタンダード車椅子で経口摂取獲得とします。
短期ゴールを共通認識したら、PT・OT・STが短期目標に対して必要な活動を考えます。
それぞれの科が必要な活動を考えたら、それに対する動作を分解します。
PTでは、座位保持・スタンダード車椅子
OTでは、座位保持・スタンダード車椅子・上肢操作
STでは、嚥下機能
を活動として考えその内容を次に細分化して考えます。
ここが一番重要な箇所で、ここで分解せずに心身機能・身体機能を考えると何を獲得する為の、心身機能・身体機能なのか分からなくなり、治療内容がバラバラになります。
このように動作を細分化したら、心身機能・身体機能を考えます。
座位保持に必要な動作・上肢操作に必要な動作、嚥下に必要な動作と細かく考えていきます。
ここまで考えて、やっと短期目標を獲得する為に、
何の活動が必要になって
その動作はどう行われているかを細分化して
その動作が行えないのは、心身機能・身体機能の何に問題があるからだ
まで考える事が出来、身体機能の何に対して治療すれば、ゴールが獲得できるかわかるのです。
まとめると、
ゴールを達成するために、まず必要な活動を考える
それを細分化して考える事で、患者さんが何まで出来るか把握する
出来ない事があれば、それは心身機能・身体機能の何が問題で出来ないかが明確する
ここまで考えると、おのずとPT・OT・STで何の治療すればいいか、それぞれの科がなにの治療をしているかを明確にでき、ゴールの獲得に繋がると考えています。
少し治療の話をします。
僕らが治療できるのは、心身機能・身体機能だけです。
心身機能・身体機能の治療を行う事で、座位保持が変わったり、移乗動作が変わったりするのです。
決して活動面に治療しているのではなく、心身機能・身体機能に治療し、その反応を活動でみる必要があります。
これが、効果判定と言うものではないでしょうか?
活動の練習をしても身体機能のどれにアプローチしているか分からなければ、効果判定は出来ないと思っています。
だから、何の治療をしているのか分からなくなり、負のループや治療のルーティン化に陥ります。
もし、今の治療に悩んでいるなら、心身機能・身体機能から考えてください。
心身機能・身体機能(下肢のMMT)に対してキッキングで治療していると仮定します。
そのキッキングで使う筋肉は、座位保持のどの機能に必要になっているか
活動のどれに対して治療しているのか
ゴールに対しての治療になっているか
と考えると、今の治療が正しいかわかると思います。
ただ、ここまで考えても、現象把握と症状把握止まりです。ここで、脳画像から原因追及して考えないとだめです。
ここが、出来ていない人が多いと感じます。
現象に対して、症状をみて、症状と原因の辻褄があっているかをしっかりと確認すれば、よりより治療を提供できると考えています。
このチャートをチーム内でも取り入れ、後輩や先輩から絶賛でした。
実際に書いて見ると、案外かけない先輩も多かったです。(笑)
皆さんもぜひ1度でいいので、使用してみてください。
この考えが実際に統合と解釈になるので、頭を整理するには持って来いだと思っています。
以上で終わります。
最後まで読んで頂きありがとうございます。