こんにちわ、彷徨うPT(@samayouPT)です。
みなさんは機能解剖は勉強していますか?
よく、「解剖学や生理学、運動学は重要だからしっかり勉強した方がいいぞ!」
と言われることあると思います。
なんとなく大切なのは分かるけど実際なんとなくでしか勉強しないことってありますよね。
・起始:第12胸椎体の側面・第1〜5腰椎体(大腰筋)、腸骨の内側面・仙骨の底部(腸骨筋)
・停止:大腿骨小転子(大腰筋)、小転子下の大腿骨骨幹(腸骨筋)
・支配神経:大腿神経(L2~L4)
・作用:股関節屈曲、外旋
・その他:股関節屈曲に最も関与する筋
これは教科書に載っている内容になります。
これだけ見れば、MMTの結果を見ても股関節屈曲の筋力増強練習をすれば筋力向上を認めて動作改善にも繋がるように思いますよね。
しかし、ここから腸腰筋の機能解剖について学ぶと以下のような内容も分かってきます
・腸骨筋も大腰筋も骨盤に対する大腿骨の屈曲と、大腿骨に対する骨盤の屈曲の両方を行う
・大腰筋は腰部の側屈
・大腰筋は仙骨に対する下位腰椎の屈筋
・大腰筋は腰椎の垂直方向の安定装置
これを見るとただ股関節の屈曲・外旋作用があると考えるだけでなく、骨盤や腰椎への影響も大きいということが分かります。
さらにここで、気になるのは大腰筋は腰椎の垂直方向の安定装置であることです。
これを考えるとMMTを評価した際の患者さんの姿勢はどうだったのか診ておく必要があります。
元々、代償動作が出てないか診る人も多いと思いますが、この知識を入れているだけでその代償動作の影響が大腰筋によるものでないかと推測することが出来ます。
その為、まず初めに代償動作が出た出てないかで大腰筋の筋力低下はないか推測できます。
もし代償動作はないが、【MMT股関節屈曲:2】の場合は大腰筋より腸骨筋の筋力低下を認めている可能性があると推測することが出来ます。
逆に代償動作が出ている場合だと大腰筋の筋力低下を認めている可能性があると推測することが出来ます。
これにより、アプローチする筋を初めの説明より具体的に考えることが出来ます。
教科書のみでなく、文献や筋骨格系のキネシオロジーなどのより細かく解剖学や運動学について書いているものを参照していただくと機能解剖について書いてくれています。ぜひ自分の患者さんに当てはまりそうな筋や関節などについて調べてみてください!
今回参照した文献と本は下に載せておきます。ぜひこちらもみてください!
参考文献
・D.A.Neumann:筋骨格系のキネシオロジー,医歯薬出版株式会社,2012.
今回は機能解剖の重要性について書かせていただきました。
例として腸腰筋について説明しましたが、もちろんその他の筋でも機能解剖について勉強すると臨床で評価やアプローチするときに視野が広がると思います。
またこれはどの疾患の患者さんでも、どの時期の患者さんでも考える必要がある内容です。