臨床と機能解剖のマッチング

こんにちわ、彷徨うPT(@samayouPT)です。

みなさんは機能解剖は勉強していますか?

よく、「解剖学や生理学、運動学は重要だからしっかり勉強した方がいいぞ!」

と言われることあると思います。

なんとなく大切なのは分かるけど実際なんとなくでしか勉強しないことってありますよね。

セラピストA
評価や治療には必要なことなんだろうけど臨床に上手く活かせてないな…
こういうことって多いと思います。
解剖学や運動学の教科書で勉強するけどなかなか臨床に落とし込みにくいと思います。
そこで今回は、機能解剖の重要性の話と僕自身がどのように臨床に落とし込むようにしているのか書いていこうと思います。
なぜ機能解剖が重要なのか?
なぜ重要なのか、結論から言うと評価やアプローチの具体性が上がるからです!
当たり前のように思うかもしれませんが、実際のところみなさんはどこまで評価やアプローチの具体性が上がっているでしょうか?
たとえば、股関節屈曲のMMTを評価したとします。そして、評価結果が【股関節屈曲:2】だったとします。
この場合、評価結果の意味ってどう捉えますか?
セラピストA
MMTの股関節屈曲は腸腰筋の評価でもあるから腸腰筋の筋力が2ってことかな?
教科書を見ているだけだとここまでだと思います。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
腸腰筋の収縮だけでも様々な要因が関わってきます。
基本的なことで言えば、支配神経、脳の話で言えば錐体路、また起始・停止部分はどこか、腸腰筋の作用は他にないのかといったように考えることが多いと思います。
また、腸腰筋は大腰筋と腸骨筋にも分けることが出来ます。それぞれ付着部位がことなり、細かく見ていくと作用が変わってきますよね。筋連結なども考えると腸腰筋が本当に問題ではなくて、別の筋が原因の場合もあります。
今パッと挙げただけでも【MMT股関節屈曲:2】という評価結果だけでも考えることはたくさんあります。
はじめにも聞きましたが実際にどこまで評価やアプローチの具体性が上がっているでしょうか?
セラピストAの考えだけだと腸腰筋の筋力低下があるから腸腰筋に対して筋力増強練習をしようとなって終わりますよね。
それでもMMTが改善する場合もありますが、最終的に動作まで繋げようと思うと行き詰るときが出てくると思います。
その為、最終的なゴールとする動作を獲得するために自分は一体どこに対して、何の評価やアプローチを行っているかを具体的にするために重要になってきます。
どのようにして臨床に落とし込むか
では、実際にどのように落とし込めばいいのか、僕自身が行っていることについて説明していきます。
先ほど例にも挙げた腸腰筋をベースに話していこうと思います。
まず、基本的な腸腰筋の情報を載せますね

・起始:第12胸椎体の側面・第1〜5腰椎体(大腰筋)、腸骨の内側面・仙骨の底部(腸骨筋)

・停止:大腿骨小転子(大腰筋)、小転子下の大腿骨骨幹(腸骨筋)

・支配神経:大腿神経(L2~L4)

・作用:股関節屈曲、外旋

・その他:股関節屈曲に最も関与する筋

 

これは教科書に載っている内容になります。

これだけ見れば、MMTの結果を見ても股関節屈曲の筋力増強練習をすれば筋力向上を認めて動作改善にも繋がるように思いますよね。

しかし、ここから腸腰筋の機能解剖について学ぶと以下のような内容も分かってきます

・腸骨筋も大腰筋も骨盤に対する大腿骨の屈曲と、大腿骨に対する骨盤の屈曲の両方を行う

・大腰筋は腰部の側屈

・大腰筋は仙骨に対する下位腰椎の屈筋

・大腰筋は腰椎の垂直方向の安定装置

 

これを見るとただ股関節の屈曲・外旋作用があると考えるだけでなく、骨盤や腰椎への影響も大きいということが分かります。

さらにここで、気になるのは大腰筋は腰椎の垂直方向の安定装置であることです。

これを考えるとMMTを評価した際の患者さんの姿勢はどうだったのか診ておく必要があります。

元々、代償動作が出てないか診る人も多いと思いますが、この知識を入れているだけでその代償動作の影響が大腰筋によるものでないかと推測することが出来ます。

その為、まず初めに代償動作が出た出てないかで大腰筋の筋力低下はないか推測できます。

もし代償動作はないが、【MMT股関節屈曲:2】の場合は大腰筋より腸骨筋の筋力低下を認めている可能性があると推測することが出来ます。

逆に代償動作が出ている場合だと大腰筋の筋力低下を認めている可能性があると推測することが出来ます。

これにより、アプローチする筋を初めの説明より具体的に考えることが出来ます。

教科書のみでなく、文献や筋骨格系のキネシオロジーなどのより細かく解剖学や運動学について書いているものを参照していただくと機能解剖について書いてくれています。ぜひ自分の患者さんに当てはまりそうな筋や関節などについて調べてみてください!

今回参照した文献と本は下に載せておきます。ぜひこちらもみてください!

参考文献

・D.A.Neumann:筋骨格系のキネシオロジー,医歯薬出版株式会社,2012.

Santaguida, P. L., and S. M. McGill. “The psoas major muscle: a three-dimensional geometric study.” Journal of biomechanics 28.3 (1995): 339-345.

まとめ

今回は機能解剖の重要性について書かせていただきました。

例として腸腰筋について説明しましたが、もちろんその他の筋でも機能解剖について勉強すると臨床で評価やアプローチするときに視野が広がると思います。

またこれはどの疾患の患者さんでも、どの時期の患者さんでも考える必要がある内容です。

今回の内容が、日々の臨床の参考になっていただければ幸いです。
それでは今回はこれで終わります。最後まで読んでいただきありがとうございました。